待ちに待ったクラス替え。


必死に探した名前。


親友の清水よりも、野球部の奴らよりも先に探した。


『川崎菜月』


その文字は俺と同じ三年六組。


「清水〜!」


二階の三年の教室から、あの子の声。


「よろしくね!」


清水に向けて掛けられた言葉。

俺もその中に入りたくて、いつもの調子で入り込む。


「川崎さん俺によろしくはぁ?」


彼女は笑って手を振った。








< 10 / 19 >

この作品をシェア

pagetop