光
前期試験もおわり、卒業まであと一週間。
最近いつも思うこと。
卒業したら俺と川崎の接点はあるのか。
大学はお互い県内。
けど今みたいに毎日会えるはずが無い。
中学の同級生にたまにしか会わないみたいに。
小学校の友達を忘れるように。
きっと川崎の中から俺は消える。
それを考えるとすごく苦しくて、悩む。
「川崎と清水って怪しいよな」
周りで最近よく言われてる清水と川崎。
川崎は美人だし清水も美形だし、よくお似合い。
二人でこっそり話していたり、盛り上がって話してたり。
入り込めない世界が二人にはあった。
諦めの悪い俺はどうしても入り込みたかった。
「川崎〜!アド教えてよ」
妙に意識して聞けなかったアドレス。
どうしても川崎に近付きたくて、聞いてみる。
「清水に聞いてよ。知ってるから」
返ってきたのは今の俺にはかなりの打撃。
「…好きなの?清水が」
情けないような、すごくかっこわるい言葉。
川崎は戸惑い、俺はそのまま誤魔化した。
川崎のことが好きすぎてもう制御不能。