卒業して一週間。


川崎のアドレスを呼び出してはメールを削除した。


あと一歩のきっかけを探した。


そんな時街で見かけたシルバーリング。


ホワイトデーに向けて、あちこちが売出しをしていて。


たくさんの商品のなかに燐として飾られたそれは、川崎を思い出させた。


「じゃ、明日な」


半ば強引に約束を取り付けた、三月十三日。


川崎は来てくれるだろうか。








< 17 / 19 >

この作品をシェア

pagetop