「お前最近どしたの?」


二年の終わり、清水が言う。


「何が?」


とぼけてみたけど、自分でも自覚はある。


自分が変わったことに。


「テストも全部平均越えだろ?部活も前以上だし…」


不思議がる清水を誤魔化しながら、部活道具を片付ける。


「それそろ大学考えようと思ってさ」


「へぇ…お前大学進学なんだ?」


驚いたように清水が言う。


「推薦狙いだけどな」


「何かしたいものでもあんの?」


「理学療法士」


「皆ちゃんと考えてんだなぁ」


皆…?川崎さんは?


すごく気になるのに聞けない。


臆病で、プライドの高い俺。


「川崎もさぁ…小さい頃から獣医めざしてんだってさ。いつならいけそうじゃねぇ?」


清水が言う。


俺も頷く。


負けてらんねぇ。


もっと彼女に近付きたい。







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