大切な人
「どうしてそれを…」





広田晃輝の目がパッと見開かれた。





「あたしのこと…本当に知らない…?」





「それは…」





広田晃輝は躊躇しているのか、黙りこんでしまった。





「答えてよ!」





昨日とは逆で、あたしが問い詰めてる。





「吉澤さんがもし………」






『吉澤さん』という言葉に、あたしと広田晃輝に距離を感じた。





「もし、僕のことを知っていたら……きっと傷ついてしまいます……」






傷つく?なんで?よくわからないけど……今は、答えを聞きたい―――――――――――







「いいよ、答えて……」






広田晃輝は、ゆっくりと口を開いた。








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