大切な人
教室に戻ると、すでに晃輝は美佳に話をしていて…





美佳は泣いていた。






「こっ…晃輝ぃ…」






そうだよね、嬉しいよね。






あたしだって嬉しいよ。






今すぐにでも、晃輝に抱きつきたいよ。






ずっと好きだったって伝えたいよ。






でも―――――――――――











晃輝は、前の晃輝じゃないんだ。






いくら抱きついても、きっと晃輝は何も思わない。






晃輝の記憶にいない人―――――――――






記憶って、こんなにも重要なものだったんだね。






心は通じあってるとかよく言うけど、ホントは違う。






あたし達は、記憶でしか繋がってなかったんだ―――――――――――
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