大切な人

忘れられた記憶

晃輝が引っ越してきてから2週間――――






「晃輝っ!放課後、勉強会しよっ!」






「あぁ。吉澤、新宮、ありがとう」






晃輝もあたし達に対して、タメ口になってきたことがすごく嬉しい。






「いいよ、いいよ!あたしたちは晃輝の役に立てれば充分だから!」






美佳からでた言葉は、本音だろう。あたしも、同じだから……。






「そうだよ、それに晃輝に勉強教えてもらいたいし」






あたしたちは晃輝の記憶を取り戻すために晃輝がよく行った場所へ連れていくことにしていた。






よく遊んだ公園、昔住んでいた家の近く、小学校―――――






どこに行っても晃輝が思い出すことはなく、今日行く図書館が最後のチャンスだと思う。







あたし達をもう1度幸せに戻して







お願いします、神様―――――




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