大切な人
「着いたよ、晃輝――」
小学生の頃、よくあたしの隣の家の周ちゃんと晃輝と美佳と一緒に行ってた図書館。
ここなら、小学生時代のことも思い出してくれるはず…
「ここが図書館………か」
晃輝は必死に思い出そうとしてくれているが、あたしはそれをただ見ていることしかできない。
「晃輝、何か思い出せる?読書感想文、よくこの図書館で書いたんだよ?」
美佳も必死に助けようとしている。
あたしも手伝わなきゃ!
「晃輝、ここの受付のおばさんがいつも恐くて、みんなで怯えながら借りに行ったんだよ」
なるべく、印象的なものから――――
そう思っていると…
「あ」
晃輝が指を指した方向。
それは、図書館専用のポストだった。
晃輝は走っていき、じっと見つめた。
「このポスト……
よく、覗いてたかも…」
そうだ。
小学生の頃、本当にこのポストに手紙が入っているか賭けをしたとき頑張って中を覗こうとしたら、受付のおばさんに怒られたんだ。
「ってことは…」