大切な人
揺れる気持ち

班決め

あれから晃輝は図書館で美佳や周ちゃんのこと、図書館での思い出をたくさん思い出した。






―――――――――ただ、






あたしのことだけは、思い出せなかった―――――――――








教室に入ると晃輝はまだ来ていなかった。





周りの女子はみな、晃輝の話ばかり。





「松田くん、超かっこいいよね!」





「えー?でも、松田くんってあっきーが彼女なんでしょ?」





『彼女』――――――――





その言葉が嬉しいけれど、胸に突き刺さる。





「ねぇ、吉澤さん」





その声に、びくっと肩が震える。





リーダー的存在の西野美羽さん。





西野さんに逆らえる女子はいないという噂がたつほどだった。





やばい……な……。





お願いだから、何も起こりませんように―――――――





そう願いながら、あたしは西野さんについていった。
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