大切な人

「ん？西野？どうしたの？」






そう言って、はにかむ翔君と、やけに、にこりと笑っている西野さん………






「あたし達と班組もうよ」






あたし、達――――――――？






「あたし達って………」






震える手を押さえながら、ゆっくりと聞く。






すると、西野さんはさらににっこりと笑った。






嫌な予感しかしないよ………






「もちろん、晃輝君と美羽だよ？」






そう言って晃輝の腕に手を絡める西野さん。






「俺はいいよ！吉澤さんは？」






嫌！………心の中ではそう思っているのに、口に出すのが怖くて……






「い、いよ………」






そう言ってしまっていた…………






何言ってんのよ、あたし………嫌なら嫌って言わなきゃダメじゃん………






心の中で、ため息をついた