大切な人
結局班活動も曖昧なまま終わって時間になっていた。






「美佳ぁ~!!!」






「彩希ぃ~!!!」






もちろん美佳と同じ班になれず、美佳はあまり親しくない人達と組むことになったらしい。






「も~、本当最悪~!」






口を尖らせながらブツブツ言い続ける美佳は、本当に怒っているらしい。






バシッ!






「痛っ!」






いったぁ~い……誰!?






後ろを振り返ると、晃輝が日誌を持って……






「あぁっ!!!」






「吉澤、今日日直だろ」






やばっ!!!完全に忘れてた………






「あ…美佳、今日バイオリンでしょ?先帰ってていいよ」






「あ、ごめんね。じゃあまたね」






そう言って美佳が小走りに去っていくのを見届けてから、晃輝がぽつりと呟いた。






「吉澤ってさ、好きな奴いるの?」






「えっ………」






どういう意味………?







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