大切な人
「そういえば神崎君、なんで戻ってきたの?忘れ物か何か?」






「あぁ、それは……」






神崎君は照れ臭そうに笑った。






「さっき下駄箱で新宮さんと会って、吉澤さんが日誌書いてるって聞いたから……



その……心配で………」






ドキッ…






あたしを心配してくれたの……?






「ありがと、神崎君。じゃあ早く終わらせちゃうね!」






焦りすぎて、消しゴムを落としてしまった。






「やばっ」






それを、神崎君が床に落ちる前にキャッチしてくれた。






「すごい…ありがとう、神崎君」






「どういたしまして」






そう言ってあたしの手に消しゴムを置いたその後―――――――――――






ギュッ






「えっ………神崎君……?」
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