太陽色の僕ら ~貴方のぬくもり~
一人の少女【陸side】
【陸side】
頭を駆け巡った記憶は養護施設にはいった頃の
ものだった。
両親を亡くした俺の心は“我慢”という文字で
溢れていた。
若くしてこの養護施設の母をしている女性は
俺に話しかけて来た。
「こら!君っ何で泣かないの!」
「は?」
その人の発言が不思議で仕方なかった。
「お父さんとお母さんのお葬式の日も泣かなかったんでしょ?」
俺は静かにこう言った。
「泣いたらお父さんとお母さんが悲しむから。」
だから俺は泣かない。
だから我慢するんだ。