太陽色の僕ら ~貴方のぬくもり~
そうか


こいつは誰かと出かけたことも


コンビニに入るのも


肉まんを食べたことも


全部、今までしたことがなかったんだ。


俺にとって当たり前の事も


彩夏にはそうじゃないんだよな。


「で、どれにすんだ。肉まんか?あんまんか?」


「うー…

どっどっちにしよう…、」


ぶつぶつと呟きながら真剣にどちらにするか迷

っているあいつ。



「すいません、肉まんとあんまん1つずつ。」


俺は気にせずレジに向かい、


ササッと金を払い、肉まんとあんまんの入った


袋を彩夏に渡した。



このまま彩夏を放っておくと何時間でも


悩んでいるような気がしたから。


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