太陽色の僕ら ~貴方のぬくもり~
***


施設の子供は皆、朝日が大好きだった。


でも本当の両親の事を忘れられず、


悲しみに暮れ泣き出すのも稀ではなかった。


「うわああんっ 」


今日もまた年齢が一桁の子どもを中心に


泣き声を上げていた。


「ほら、泣くな泣くな。」


施設の中で一番年上の俺は弟たちが泣き出す度


宥めては、頭を撫でてやった。


朝日も同様に優しく宥めていた。





俺だって泣きたいときくらいあった。


悲しみが込み上げてくる時だって。


でも“俺はお兄ちゃんだから”その考えが


俺を我慢させた。




「ふー、何とか皆寝てくれたね」


「うん、じゃあ俺も寝るよ」



そう、眠りにつこうと寝室に向かおうとした時


朝日は俺に手招きをし、此方へ来るように示し


た。


「?」


取り敢えず、俺は朝日に近づいた。








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