太陽色の僕ら ~貴方のぬくもり~
「わっ」

両手いっぱいに洗濯物を持ったのが

裏目にでたようで、

案の定

前が見えず混乱して足を滑らせてしまった。



ドサッ



「痛ーっ!」


腰を強く打ちつけてしまい、しばらく立てそうにはなかった。


「だから俺に半分貸せって言っただろ。」


苦笑いでそう言った陸は私に“つかまれ”と
手を差し出した。


「いい!一人で立てる!」


「お…おお、そうか」


また変な意地を張っちゃう私。


「…?何これ?写真…?」


陸から顔を背けようと横を向いた拍子に

小さな写真たてが手にあたった。



その写真に写るのは

10人に満たない小さな子どもと一人の女性。



「これ養護施設に皆居たときの写真なんだ。

この人が俺の好きだった人。

死んじまったけどな。」




この人が



陸の好きな人。




「聞いてもないのに、何勝手に喋ってんの!

キモい!」



悔しい。


こんな大人の人が好きだったって。


陸の事を励ましたり、頼りにされたりしてたんだよね。



私は何もできてない。



私の事を励ましもらってるだけで…-


















< 48 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop