太陽色の僕ら ~貴方のぬくもり~
「菜摘、墓参り行こう。」

供える用の綺麗な花を見つけたので、

ついでに墓参りもしていこうと菜摘に呼び掛けた。


「あ



私、待ってる。」



彩夏は下を向きながら遠慮がちにそう言った。



「彩夏」



「……」


「そうか、じゃあ行ってくる!

終わったら電話するから、」



「うん。」



***




「朝日、菜摘が帰って来たぞ」


しばらく目を瞑って手を合わせた後、

俺は墓石に嬉しそうにそう言った。


「…菜摘は…、俺の意思が分からないって


思ってるだろ?」


「ん、そうだね…」



「彩夏は血の繋がった身内も生きているし、


帰る家もある。



けど、生きていても一緒に居れないことだってあるんだ。


アイツも今まで頑張って来たんだよ。」




「陸兄は

そういうの放っておけないもんね。」




ああ、その通りだ。


だって俺は嬉かったから。






おかえりって言われることが。


ただいまって言うことが。





どうしようもなく嬉かったんだ。

















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