太陽色の僕ら ~貴方のぬくもり~
“着いたぞ”


そう言われてすぐ前に建っている家を見た。


普通の家よりはるかに大きい。


その家の看板には“養護施設”と書かれてある。

「養護施設…?」

私は不思議そうに首を傾ける。

「ああ、ここは元々養護施設なんだ。

俺はここで育った。」


「人は?誰も住んでないの?」


「管理人が死んだからみんな違う施設に移った。
俺がここを売らせねえように住んでんだ。」


陸は切なげに話してくれた。


養護施設で育ったって事は


両親が死んだか、虐待を受けていたか。


この人も苦労したんだな、


なんて静かに私は思った。


その事には触れてはいけない気がして


私は何も言わなかった。




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