太陽色の僕ら ~貴方のぬくもり~
第三章
いとこ【彩夏side】
【彩夏side】
ある日の朝だった。
ピピピピピピッ
そう高い機械音が三回ほど続けて
鳴った。
陸に顔が赤いからと無理矢理押し付けられた
体温計だ。
「ん、38.4℃。
完璧に風邪だな」
「大丈夫だし!」
足元が定まらないままフラフラと歩き、
陸に近寄った。
「よくその状態で言えたな。」
「うっ」
精一杯平然を装ったつもりだったが
やはりバレていた。
「俺、今日仕事だけど一人で大丈夫か?」
その陸の言葉に私は
驚いた表情を浮かべた。
「えええ!?
陸ってフリーターじゃなかったの!?」
陸は常に私と居てくれたから仕事してるなんて
それこそ初耳だった。
「失礼だな!
仕事ぐらいしてるっ」
「いてっ」
陸はムッとした顔を作り、私に軽く
デコピンをした。
「陸は心配性なんだよ、
一人でも平気。」
「そうだな、
じゃあ行ってくるよ」
私は咳き込みながら玄関で陸を送り出した後、
ベットへ向かった。