太陽色の僕ら ~貴方のぬくもり~
「ねえ、」

菜摘は座ったまま隣に立っている真広の
服の裾を数回引っ張った。


「何?」


「名前なんて言うの。
菜摘は菜摘だよ。」


「ああ、名前ね。
真広。」

「じゃあ
まーくんだねっ」


「はあ!?
じゃあって何だよ!!
ていうかやめてよ、そのセンスないあだ名!」


それを耳に挟んだ俺と彩夏は


「何だと、最高じゃないか。
菜摘はセンスあるな!やっぱり」

「うん可愛いと思うぞ、まーくん 」


いつも冷静、な真広のペースが
マイペースな菜摘によって崩されていると
思うと
二人してニヤニヤとしながらそう囃し立てた。



「はあ…、呼ばれる身にもなってよ」




やっぱりこんな
何もない会話をするのは楽しい。

長い間一人で居た分、
この明るくて人が集まっている部屋に居るのは

とても心地いい。


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