太陽色の僕ら ~貴方のぬくもり~
彩夏は好きだ。
勿論、家族としてだが。
彩夏には悪いかもしれないが俺ははじめ、
自分の心の穴を、さみしさを塞ぐために連れてきた。
妹も弟も居ないこの家に帰りたくなくなっていたのかもしれない。
でも、今は違う。
そいつは確実に俺の心の穴を塞いでいった。
それは妹のかわりでも何でもない。
彩夏自身が。
俺は彩夏の居る家が恋しくなっていた。
「できたー!!」
「完成…」
彩夏と菜摘は両手を上に挙げ、大声で叫んだ。
「やけに速いね
…って何これ。」
テーブルに料理を置き始める彩夏と菜摘に
話しかける真広だが、
すごい腱膜で料理を指差している。
「どれどれ?」
そっそうか…
予想はしていたがそんなに酷いのか…
俺はため息を一吐きし、テーブルに目を当てた。