猫と生きる
来て良かった。
吉田直也、首にまだ包帯巻いてたな。
まだ、傷が塞がってないのかな。
でも、元気そうでよかった。
また、吉田直也はライブをきっと見に来る。
次は、彼にお礼をするつもりで歌ってあげよう。
帰りの電車の中で、私は次のライブのことを考えていた。
衣装のこと、ステージのこと、歌のこと。
いつも誰かに全部任せていた私は、アイドルになって初めて自分で自分のライブのことを考えていた。
そうだ、次のライブは吉田直也にチケットを送ってあげようかしら。
私は、初めて自分の人生に目標を見出した気がした。
本番はこれから。
猫と集める 終