猫と生きる

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今日の気温は3度。


ちなみに今の時刻は午後5時。


夜からはさらに冷え込み、0度を普通に下回るとか。


そんななか、こんなにも多くの人がこの公園に集まっている。


ライブのスタートは6時だというのに。


改めてアイドルの力を思い知った。






南さんの作戦、それはこの公園でのライブだった。


ただのライブではない。


猫連れ客限定ライブだ。


いきなりのライブだがすでに客はいっぱいだ。


みんな猫を連れている。


俺は南さんにチケットをもらい、のぶ代さんとともに来ていた。






「すごいひとだにゃー。」


カバンの中からのぶ代さんが顔を出す。


「国民的アイドルのライブだからな。」


「それで、そのアイドルはどこにいるんだー?」


「臨時の控え室にいるってメールで…たしか公園内の市民会館の中の第3控え室って…」


俺は公園内の地図が描かれた大型の看板を見る。


ライブが行われるのは今いる広場の中央。


目的の市民会館はここから北に300mとあった。


「よし、行くぞのぶ代さん。」


「らじゃー。」





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