猫と生きる
俺は隣の部屋のドアを開けた。
部屋の奥に簡易ベッドが置かれ、そこに雪見さんが眠っていた。
ベッドの隣には絹代さんもいる。
そしてその隣に…
「アキハくんじゃん!」
「…吉田さん?」
なぜ吉田さんがここに…
「見てくれよこれー!」
吉田さんは自慢気にチケットをひらひらさせる。
どうやら今日のライブのチケットのようだ。
「なっつんが俺を招待してくれたんだ!」
吉田さん、楽しそうだ。
「なっつんから事情聞いたよ、なんかよくわかんないけどさ、日菜子ちゃん危ないんだろ?!それを、なっつんの歌の力で元気にする会なんだろ?!」
「まぁ…そんなところです。」
根本的には全然違うが大体あっているのでとりあえず同意しておいた。
「よーし!それじゃ俺はそろそろステージに移動する!最前列でなっつんのライブを見るからなー!」
カバンから『なっつん☆LOVE』と描かれた蛍光ピンクのうちわを取り出した吉田さんは、それを掲げながら部屋の外へ出て行った。
なんなんだあの人は。