猫と生きる
「聞いてくれ。俺の友人が危険な状態なんだ。この子の中には猫が入っている。その猫を一緒に呼んでほしいんだ。」
その場にいた猫たちの何匹かがこちらを向いた。
「みんな、協力してくれ。」
「イヤよ。」
足元のシャム猫が前足を舐めながら言った。
「ただでさえ飼い主によくわからないところに連れてこられて機嫌が悪いのに。」
シャム猫が俺を見つめる。
「ごめん、自分勝手なのは承知してるんだ。」
「あらやだ、あなた人間のくせに私たちの言葉がわかるのね。」
他の猫たちも猫の言葉がわかる俺に興味を持ったのか俺の周りに集まってきた。
「こいつ、俺たちの言葉がわかるのか?」
「本当に人間なの?」
口々に言う猫たち。
みんな俺を不審な目で見ていた。
「お願いだ、協力してくれ。」
俺は頼み続けた。
「大事な人なんだ。」
雪見さんは俺を爆発から助けてくれた。
雪見さんがいなければ、俺は死んでいた。