猫と生きる




猫たちはみんなこちらを見ている。


かなり警戒をしているようだ。







「いいかげんにしろにゃー」








俺のカバンから突如のぶ代さんが飛び出してきた。


「の、のぶ代さん?」


「おめぇーら!よくきけよ!」


のぶ代さんは猫たちの中へ歩いていく。


「ちょっと協力ぐらいしてやれ!ふまんなのはわかる、でもちょっとなんだよ。」


俺を見ていた猫たちの視線が今はのぶ代さんに注がれていた。


「ちょっとこのおんなのこのなかのネコにはなしかけるだけ。」


のぶ代さんが猫たちを見渡す。







「おまえらここでいいエサもらったんだろ?これくらいしろー!!」







のぶ代さんが叫ぶ。






「まぁ、ちょっとだけなら…」


さっきのシャム猫がポツリと言った。


すると、他の猫からも協力と取れる言葉がポツリ、ポツリと出てくる。






すっきりした顔でのぶ代さんは俺の方へ戻って来た。


「まったく!エサをもらってるぶんざいでみんなすきかっていってー!」


「お前、エサが羨ましかったんだろ。」


「ちげーにゃ!アキハのこと助けてやっただけにゃ。」


「ありがとう、のぶ代さん。」







< 120 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop