猫と生きる
猫たちはみんなこちらを見ている。
かなり警戒をしているようだ。
「いいかげんにしろにゃー」
俺のカバンから突如のぶ代さんが飛び出してきた。
「の、のぶ代さん?」
「おめぇーら!よくきけよ!」
のぶ代さんは猫たちの中へ歩いていく。
「ちょっと協力ぐらいしてやれ!ふまんなのはわかる、でもちょっとなんだよ。」
俺を見ていた猫たちの視線が今はのぶ代さんに注がれていた。
「ちょっとこのおんなのこのなかのネコにはなしかけるだけ。」
のぶ代さんが猫たちを見渡す。
「おまえらここでいいエサもらったんだろ?これくらいしろー!!」
のぶ代さんが叫ぶ。
「まぁ、ちょっとだけなら…」
さっきのシャム猫がポツリと言った。
すると、他の猫からも協力と取れる言葉がポツリ、ポツリと出てくる。
すっきりした顔でのぶ代さんは俺の方へ戻って来た。
「まったく!エサをもらってるぶんざいでみんなすきかっていってー!」
「お前、エサが羨ましかったんだろ。」
「ちげーにゃ!アキハのこと助けてやっただけにゃ。」
「ありがとう、のぶ代さん。」