猫と生きる

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3月。






外もだんだんと暖かくなってきていた。


卒業式を終えた俺は家に帰ってきたところだった。


「おかえりー。」


のぶ代さんはせっせと俺のカバンで爪研ぎをしていた。


「こら、それ俺の…」


「だってーこれつかいやすいしー。」


「のぶ代さんには専用の爪研ぎ買ってあげただろ?」


俺は部屋の隅に置いてあるダンボールでできた爪研ぎを指差す。


「あれ、とぎにくいんだもん。」


のぶ代さんは欠伸をすると窓際の日向に寝そべった。


「アキハー。なんでコタツしまったのかー?」


「もう春だぞ、コタツ使わないだろ。」


「やーにゃ、やーにゃ。」


不満そうに床でゴロゴロするのぶ代さん。


「ほら、今から掃除機かけるからそこどけ。」


「そ、そーじき?!」


俺が押し入れから掃除機を出すとのぶ代さんは入れ違いに押し入れに入っていった。


のぶ代さんは過去に1度尻尾を吸われてから掃除機が大の苦手だ。





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