猫と生きる
今日は俺と露木さんの卒業を祝って、俺の家でたこ焼きパーティーをすることになっていた。
露木さんはタコ、南さんはその他の材料、吉田さんはたこ焼き機を持ってくることになっていた。
しばらくすると、再びインターホンが鳴った。
「たこパー!たこパー!」
玄関のドアを開けるなり靴も揃えず上がり込む吉田さん。
その後ろで南さんが吉田さんの分の靴も揃えていた。
「ちょっと…吉田直也!靴くらい揃えなさい。」
「あ、ごめーん!なっつん揃えてくれてありがとう!」
吉田さん、相変わらずだな。
俺の後ろで露木さんはクスクスと笑っている。
「吉田さん、南さんと一緒だったんですね。」
吉田さんにそう言うと隣の南さんが慌てて首を横に振る。
「ち、ちがうんです!一緒に来たわけじゃなくて、たまたま一緒になったっていうか!」
必死に弁解する南さん。
一緒にいたと思われたくないなんて、そんなに吉田さんが嫌いなんだろうか。
「と、とにかく!月元さん、露木さん、ご卒業おめでとうございます。」
「ありがとう、南さん。」
「それじゃあ、私たこ焼きの準備しますね!…よ、吉田直也、手伝いなさい。」
「はーい。」
「月元さん、キッチン借りますね。」
二人はたこ焼きの準備を始めた。