猫と生きる
ガイダンスが終わり、俺と露木さんは大学の近くのカフェに来ていた。
俺はコーヒーを注文し、露木さんは抹茶ラテを注文する。
「露木さん…」
俺はずっと気になっていたことを彼女に尋ねた。
「俺といるとつらい?」
彼女はマグカップに口をつけ、一口飲むと答えた。
「うん。」
素直な彼女の反応に、予想していたものの少しショックを受けた。
やっぱり、そうだよな。
「アキハ君の家でパーティーしたとき、すごく楽しくて…でも、やっぱり私はこの中にいちゃいけないって思ったの。」
露木さんは話し始めた。
「それで、アキハ君と会わないようにした。でもね、アキハ君にずっと会いたいって思ってた。」
彼女はマグカップに落としていた目を、俺の方へ向けた。
「だけど、連絡先知らないし、家を訪ねる勇気もなくてね…よかった、また会えて。」
彼女はそう言って微笑んだ。
その表情があまりに可愛くて、俺はなんの言葉も出ず、思わず見とれてしまっていた。
「連絡先、交換しよう。」
やっと言えたのがそれだった。
「また、みんなで集まろう。」
露木さんはマグカップを両手で持ち、「うん。」と嬉しそうに頷いた。