猫と生きる
日記によると、どうやら祖母の中には猫が入ってしまったらしい。
猫が入ってしまったとういのもよく分からないが、とにかく猫が入ってしまったらしい。
そして、そのおかげで透さん、つまり私の祖父を助けることができたようだ。
夢みたいな話だが、あの祖母ならこれが本当のことでもおかしくない気がした。
私は日記を元あったアルミの箱の中に戻した。
他に何か手がかりになるものはと探していると、しゃがんだ私の膝に黒猫がすり寄ってきた。
「ぬー…」
「ぬーちゃん…」
私はぬーちゃんの頭を撫でた。
このぬーちゃんという黒猫は、私が祖母にプレゼントした子だ。
祖父を亡くし、寂しいだろうと思い、祖母に贈ったのだ。
祖母が亡くなってからは私がぬーちゃんを引き取っている。
今日の遺品の整理にはぬーちゃんも連れてきた。
きっとぬーちゃんもこの場所にまた来たいと思っていると考えたからだ。