猫と生きる
キャリーケースの中で、丸くなったぬーちゃんはすやすやと眠っていた。
猫を飼うのは実は初めてだったりする。
まだこのぬーちゃんを飼い始めて1ヶ月も経ってないわけだが、わからないことだらけだ。
部屋の壁には無数の傷跡、ティッシュをいたずらされる、タオルはぐちゃぐちゃ。
ぬーちゃんを飼ってから本当に大変だった。
最近は少しずつ慣れてきたのだが。
たまに、ぬーちゃんの思っていることがわかればいいのにと思う。
まぁ、そんなことできるわけないのだけれど。
ぬーちゃんのキャリーケースを膝の上に乗せ、電車に乗っていると、小さな子供とそのお母さんが猫に気がつきこちらへ来た。
「かわいい、ねこだ!」
赤い玉のついた髪飾りをつけた小さい女の子がケースの中を覗き込む。
「なまえはなんていうの?」
女の子が私に尋ねた。
「ぬーちゃんっていうの。」
「ぬーちゃん!」
女の子は嬉しそうにぬーちゃんの名前を呼ぶ。
「ぬー…」
ぬーちゃんは目が覚めたのか寝ぼけた声を出す。
「ぬーって鳴くんだね!」
女の子は嬉しそうだ。