猫と生きる




二駅ほど先で、女の子とそのお母さんが降りていった。


それからアパートの最寄り駅に着くまでに、何度か話しかけられた。


みんなぬーちゃんに引き寄せられてやってきたのだ。


なんだか不思議だ。


全く知らない人なのに、もうきっと二度と会うことはないのに、ぬーちゃんを通して話すそのときに、私はその人たちと繋がるのだ。






下宿先のアパートに着き、ぬーちゃんをキャリーケースから出してあげた。


ぬーちゃんは伸びをすると、すぐに餌の皿の方へ向かう。


私は皿にドライフードを入れてあげた。


ぬーちゃんはカリカリと音を立ててそれを食べていた。





私はベッドに腰を下ろした。


ご飯を食べ終えたぬーちゃんはベッドの上に飛び乗ると毛づくろいを始めた。


私はその様子をなんとなく眺めていた。








猫と生きるのも悪くないかもしれない。


と、そう思った。







猫と生きる 終












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