猫と生きる
うれしくてうれしくて、わくわくした。
これから始まる生活を想像した。
家族が出来るというのはこんなにも嬉しいのか。
女の人に車に乗せられ、俺は木造の一軒家まで連れて来られた。
和風の落ち着いた家屋だ。
ここが俺の新しい家か、と家を見上げる。
女の人は俺を抱きかかえ、家の中に入った。
玄関先で、落ち着いた雰囲気のばーさんが彼女を出迎えた。
誰だ。
この女の人の祖母ってやつだろうか。
女の人は何かをこのばーさんと話すと、俺をばーさんに差し出した。
俺はばーさんに抱きかかえられた。
不思議だが、その手は温かく、安心した。
「それじゃあ、私行くね。」
ばーさんに俺を渡したその女の人は、扉を開けて家から出て行った。
家にはばーさんと俺が残った。
ちょっと待て。
俺は女子大生に飼われるんじゃないのか。