猫と生きる





ばーさんに貰われてから、早いもので5ヶ月が過ぎた。






朝、いつものようにばーさんの枕元で目覚める。


珍しく、ばーさんはまだ寝ていた。


いつも俺より早く起きるのに、こういうこともあるんだなと、それくらいにしか考えなかった。









それから、ばーさんは目を覚ますことはなかった。









突然、思わぬ形で俺はばーさんと別れることになったのだ。


たった数ヶ月しか一緒にいられなかった。


俺の方が先にいなくなるんだと思っていた。


まだ、一緒にいられるものだと思っていた。







これが、死か。


初めて知った。


残されるなんて、思っていなかった。


本当は、本当にこんな予定じゃなかった。


これがヒトと生きるということか。




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