猫と生きる
犬・猫のコーナーはショッピングセンターの大きな通りに面しているのに対し、爬虫類や魚のコーナーは奥の方にある。
そのため賑やかな大通りからは隔離されたような感覚になり、非常にさみしい。
あの賑やかな雰囲気な吉田さんがサボらないはずがなかった。
「1260円になります。」
爬虫類コーナーはいつもよりなぜか人が多く、レジは列を作っていた。
列を作っているレジをこなしながら吉田さんを恨む。
アイドルのステージはこのペットショップから近く、ちょうど犬と猫のショーケースの前からステージが見える位置にあった。
吉田さん、店長に見つかればいいのに。
大通りの方が騒がしい。
きっとステージが始まったんだろう。
みんな見に行くんだろうか、ペットショップ内も人が減ってきた。
しばらくすると、悲鳴のような歓声が聞こえてきた。
熱狂的なファンもいるんだな。
そして爆発音のようなものも聞こえる。
ショーケースの犬が吠え始めた。
爆発音に驚いたんだろう。
派手な演出だな、すごい音がしたけどアイドルのステージってこんなに音出すのか…?
そんなことを考えながら店の掃除を始めた時だった。
「アキハくん…」