猫と生きる
俺が知らないところでなにやら大変なことになっている。
「どうしよう…アキハくん…」
雪見さんは今にも泣き出しそうだった。
「とにかく、落ち着いて…。今どういう状況なの?」
「うん…さっきね…」
雪見さんはこれまでの状況を話し始めた。
ステージが始まってしばらくして、ステージ上に黒服の男が乱入した。
そしてなっつんのマイクを奪い、金とステージの中止を要求したらしい。
ステージに上がる際、黒服の男は吉田さんを人質にしたため、警備員も手が出せなかったらしい。
警察を呼べば吉田さんをこの場で殺すという。
また、彼は爆弾もいくつかステージに設置したらしく、その一つを脅しも兼ねて爆破したらしい。
それがさっきの爆発音というわけだ。
騒ぎに気がついた店長と雪見さんはステージで人質になっているのが吉田さんだと気がついた。
そして吉田さんを助けるため、店長はステージに上ったが、犯人の持っていたナイフで切りつけられてしまった。
というのがここまでの経緯らしい。
「どうしよう…店長さんが…」
「大丈夫。」
とは言ってみたものの、店長も早く病院に運んで手当てしないと大丈夫ではないだろう。
吉田さんも心配だ。
だが、俺になにかできるわけでもない…
どうしたら…