猫と生きる
「おい、アキハ!!」
今なにか声がしたような…
「アキハ、アキハ!!」
声のする方を見ると、黒猫がケースを叩きながら叫んでいた。
「なんだよ、今取り込み中だ。」
雪見さんに気がつかれないように黒猫に答える。
「知ってるよ、吉田と店長を助けたいんだろ?」
「助けたい…けど俺にはなにも…」
「できる!アキハにやってほしいことがあるんだ!」
黒猫が必死に叫ぶ。
「アキハ、俺もあの2人助けたいんだ!頼む、俺の話を聞いてくれ!」
「……。」
ここでじっとしていたところで俺に何かができるわけではない。
黒猫の話を聞いてみるか。
「わかった。なんだ?」
「ここのショーケースに入ってる全ての猫を解放しろ。」
「解放?…そんなことできるわけ…」
「俺たちなら犯人に気づかれず犯人の背後に回れる。」
「そうかもしれないけど…」
「このままじゃ吉田が殺されるぞ!吉田はバカだしすぐ俺たちのエサを忘れるし、店の有害物質だが俺たちはみんな吉田が好きなんだ!!」