猫と生きる
「くそっ!くそ…」
抵抗を続ける犯人。
俺は必死で耐えた。
早く…誰か…
「アキハくん…!!」
これは…雪見さんの声?
「君、大丈夫か?!」
後ろから誰かが駆け寄ってくるのが聞こえる。
雪見さんが警察を呼んでくれたのだろうか。
よかった、これで…
「アキハくん、危ない!!!」
「え?」
一瞬だった。
それを見た時にはもう遅くて。
覆面の犯人が俺めがけてナイフを振り下ろしていた。
そして激痛が肩に襲いかかる。
その場に崩れる俺の耳に犯人の笑い声が聞こえる。
「もうお終いだ!!!!みんなここで吹っ飛べ!!!」
犯人の手にはスイッチらしきものが握られていた。
犯人の親指が、スイッチの上に乗り、そしてゆっくりとスイッチを押し込んでいく。
爆音。
さっきのものと比べものにならないくらいの。
俺は痛みと衝撃で、段々と意識が薄れていった。
「アキハ…くん…」
雪見さんの声が聞こえて、そこで俺の記憶は途絶えた。