猫と生きる




あの男の子…


なんだかいつも気になるのです。


なぜかはわかりませんが。


今は名前もわかりませんが、いつか仲良く話せたらと、そう思っています。


ですが、私は学校のクラスメイトとすら話せないような性格です。


そんな学校も違う知らないような人と話すことなんて今後あるのでしょうか。








「ただいまー。」


家のドアを開けて、中に入りますが、誰の返事もありません。


リビングのドアを少し開けて、中を覗くとお母さんが机に突っ伏していました。


すすり泣く音が微かに聞こえています。


私はドアを静かに閉じると、自分の部屋のある二階へ行きました。


ランドセルを下ろしたわたしは、ベッドに横になりました。


お母さんは泣いているし、いつもなら暗い気分になるところですが、今日はなんだか嬉しい気分です。


あの男の子の姿が見れたからでしょうか。






その後、母に呼ばれて夕飯を二人で食べました。


いつから、私とお母さんとお父さんは一緒にご飯を食べなくなったのでしょうか。


もう覚えてはいません。


ご飯を食べ終え、1人でお風呂に入り、パジャマに着替え、歯を磨き、自分の部屋に戻りました。


吸い込まれるように布団に潜り、目を閉じます。


今日もまた1日が終わった。











< 41 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop