猫と生きる
また、私の1日は繰り返されます。
朝起きて、歯を磨き、顔を洗い、服を着替え、朝ごはんを食べ、今日もお父さんの姿がないなと思いつつ、ランドセルを背負い、学校へ向かいます。
玄関からふと、あの家を見ると、ちょうどあの男の子が出てきました。
男の子は私に背を向けて歩いて行きました。
なんだか今日はいいことがありそうです。
いつもの通学路を通り、学校へ向かいます。
この角を曲がれば、学校はすぐ。
またいつものつまらない学校生活が始まるのかと、そんなことを思いながら角を曲がったと思います。
また、いつもの…
でも今日は少し違うみたいです。
曲がった直後、私の足元を何かがすり抜けて行きました。
「う、うわ…」
灰色の、塊。
私にはそう見えました。
よく見ると、灰色の毛並みに、青色の目をしたねこでした。
「ねこ…ちゃん?」
ねこは私の方を振り返り、にゃあと鳴くと、消えてしまいました。
今の、なんだったのでしょうか。
足元に来るまで、私はねこに全く気が付きませんでした。
あんなに目立つきれいなねこなのに。
突然私の足元に現れて、消えてしまいました。
不思議なこともあるものです。