猫と生きる




また校庭を教室の窓から見下ろします。


今日はあの担任も私のことを見ているだけで、帰れなどとひどいことは言ってきません。


私は下校時刻になるまでぼんやりと教室で本を読みながら過ごしました。






やっぱり憂鬱な下校時刻はやってきました。


私は本をランドセルにしまい、席を立ちました。


後ろから先生の視線がありましたが、特に気にせず、私は教室をでます。






いつもと同じ通学路で、家に向かいます。


帰り道の途中、またあの灰色のねこに会いました。


「おいで…」


ねこに呼びかけてみますが、ねこはちらっとこちらを見て、近くの茂みに消えてしまいました。


追いかけたりはしません。


そろそろ帰らないと、さすがにお母さんに心配をかけてしまいます。













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