猫と生きる
楽しい時間はあっという間に過ぎ、空がだんだん暗くなってきました。
「僕…そろそろ家に帰らなきゃ。」
男の子は手を振りながら、自分の家の方へ帰って行きました。
私も、家に入りました。
男の子にさよならを言えなかったことが悔やまれます。
あの男の子、どうして家の前で立っていたんだろう。
どうしてすぐに家に入らなかったんだろう。
もしかして、私と同じなのかな。
家に帰りたくなかったのかな。
夜、布団にくるまりながら私はそんなことを考えていました。
結局、私から彼のことを聞くことは出来なかった。
彼のことをもっと知りたいと思いました。
どうしてかはわかりませんが、彼は私に近い存在な気がしたのです。
今度会ったら、その時は…
いつのまにか、私は眠りにつきました。