猫と生きる
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今日は土曜日です。
学校はお休みになります。
私はいつもより少しだけ遅く起きて、パジャマから着替え、洗面台のある一階に降りました。
歯を磨き、顔を洗い、引き出しからタオルを出して顔を拭いていたときでした。
リビングのドアの開く音がしました。
タオルかけにタオルをかけて、リビングの方へ向かうと、廊下にお父さんがいました。
「おはよう。」
私はお父さんにあいさつをしましたが、お父さんは何も言わずに玄関の方へ歩き出しました。
「お父さん…?」
そして玄関で靴を履いたお父さんは、そのまま扉を開けて出て行きました。
私は扉が閉まった後も、扉を見つめていました。
お父さん、土曜日のこんなに朝早くに一体どこへ行くのだろう、と。
リビングではソファーでお母さんが紅茶を飲んでいました。
「おはよう。」
と、言うとお母さんも「おはよう。」と言ってくれました。
とても穏やかな笑顔でです。