猫と生きる



部屋の扉は今にも開いてしまいそうです。


もともとそんなに丈夫な造りではないのでしょう。


人は死んだらどこへ行くのでしょうか。


そもそもどこへも行かないのでしょうか。






嫌だ。


死にたくない。






涙がボロボロと、頬を伝って落ちて行きます。


今までにこんなに涙が出たことはなかった。


今までにこんなに自分に素直になったことはなかった。


多分、これは私の最初で最後の本音。






「助けて!!」






私は叫んでいました。


いつも声が小さいと言われる私の、精一杯の大声。


「誰か…!誰か助けて!!」





やっとあの男の子と話せたんです。


ろくに友達がいない私が、ずっと友達になりたいと思っていた男の子とお話できたんです。


壊さないで。


お願いです、私の夢を壊さないで。


助けて。


私はまだ…








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