猫と生きる
「みゃー」
ねこも一緒に窓を飛び出して来ました。
そして、消えました。
前にあった時のように、消えてしまったのです。
すると、急に私の体は軽くなりました。
私は足からきれいに着地しました。
体のどこも痛くはありません。
あの高さから落ちたのに…
私は飛び降りた窓を見上げました。
お母さんが窓から顔を出してこちらを見ていました。
まだ、終わってない。
逃げなくちゃ。
私は走り出しました。
なぜか今日はいつもより早く走っている気がします。
体も軽やかです。
まるで、ねこみたいに。
近くの公園まで走った私は、ベンチに座りました。
これから、どうしたらいいのでしょうか。
もう、あの家には帰れない。
お父さんのところへ行こうにも、お父さんの居場所はわからない。
私はひとりぼっちになってしまいました。
でも悲しくはなく、後悔もありませんでした。