猫と生きる
ステージの裏で深呼吸。
「なっつん!!なっつん!!」
観客からコールが聞こえる。
よし!!
私はステージに飛び出した。
「みんなー!夏樹だよー!今日は来てくれてありが…」
「手を挙げろ!!!!」
へ…?
ステージに私の他にもう1人、覆面に黒服の男が立っている。
なにこれ。
こんなの打ち合わせで聞いてないよ?
もしかして、サプライズ?
「動くなよ、南夏樹。動いたらこうだ!」
男が手に持っていたボタンのようなものを押す。
するとステージの裏側で派手な爆発音がした。
「うそ…」
どうやらサプライズではなさそうだ。
「こっちへ来い、南夏樹!お前には人質になってもらう。」
私の腕を引っ張る覆面男。
どうして私がこんな目に。