猫と生きる




「早く金を出せ!」


犯人は吉田直也にナイフを突きつけながら叫ぶ。


私がアイドルになんてならなければこんなこと起こらなかったのかな。


アイドルなんてさっさと辞めればよかった。


でもそんなことを言ったところでこの事態がどうにかなるわけではない。


どうしようかと考えていたときだった。





「吉田くんを放せ!」




またなんか出てきた。


黒いエプロンをつけた中年の男性がステージに登って来ていた。


「店長!なにしてんすか!」


吉田直也が中年の男性に向かって呼びかける。


どうやらこの男性、吉田直也の知り合いのようだ。


二人とも同じ黒いエプロンをつけているところをみると、この男性は吉田直也のバイト先の店長といったところか。


「吉田くん、待っててよ!今助けるから。」


男性がステージの上に立ち、覆面男と対峙する形になる。


「吉田くんを返せー!」


男性が飛びかかる。


「うるせぇ!!!!」


「うわぁあー!!!」


何の迷いもなく男性を切りつける覆面男。


男性はその場に倒れた。






犯人は今の出来事にかなり動揺したようだった。


「お前ら、勝手なことするなよ!勝手なことをすればこのステージの下にある爆弾を爆破する!!!」





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