猫と生きる
「にゃにゃにゃ」
のぶ代さんが小さく鳴きながら私の膝に擦り寄る。
「珍しいな、のぶ代さんあまり俺以外の人に近寄らないのに。」
「そうなんですか?」
「うん、南さんは猫に好かれる体質なのかもね。」
猫に好かれる体質か。
そういえば私、昔から猫を惹きつけるんだよね。
道で歩いてたら猫がついてくるのはよくあることだったし。
すごいときには5匹くらいついてきてたと思う。
「あ、そうだ。何か聞きたいことあるって言ってなかった?」
「え、あ…」
そうだった。
ここに来ると事前に月元さんに連絡したとき、私は月元さんに少し聞きたいことがあると言ったのだ。
「なに?」
「あの、同じバイト先に女の子いますよね、月元さんと同じ年くらいの。」
「あぁ、雪見さん?」
私は今日、月元さんにお礼を言う他に彼女について聞こうと思っていたのだ。