猫と生きる




月元さんなら知ってると思ったのに。





私はあの爆発の直前の彼女を思い出していた。


『守らなきゃ』


彼女はそう言って月元さんを助けに行ったのだ。


そんな危険をおかしてまで月元さんを守ろうとしたのだから、彼女にとって彼は特別なんだと思っていた。


そうじゃなかった?


いや、特別だからこそ何かの理由があって月元さんとの関係をたったのかもしれない。





「そうですか、お礼が言いたかったんですが。」


私は月元さんにこのことは言わないことにした。


「そうなんだ、俺もだよ。雪見さんが助けてくれなかったら俺は死んでたわけだし。」


たしかにそうだ。


現に月元さんの近くにいた覆面男は亡くなった。


月元さんが無事なのは奇跡に近い。


雪見さんはどうやって彼を助けたのだろう。


「ごめんね、役に立てなくて。他に聞きたいことは?」


「いえ、もう……あ、一つだけ。」


これは聞くか迷うところだが、せっかくなので聞いておこう。






「吉田直也ってどういう人ですか?」










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