猫と生きる
「たくさんの猫って…ここに集まってる猫だけじゃダメなんですか?」
絹代さんは頷いた。
「試したわ。でも、だめだった。この子の様子からすると、もうあと数日しかもたないわ。」
「もたないって…どういうことですか?」
「体が耐えきれず、恐らく死んでしまうでしょうね。」
「そんな…でもたくさんの猫なんてどうすれば…」
「だから、あなたが必要なのよ。」
絹代さんは私の方を見つめた。
「あなたの猫を引き寄せる力があれば、猫を集められるかもしれない。」
「わたしが…?」
たしかに、私は猫を引き寄せるのかもしれない。
けれど、人の命を背負うなんて…それに、たくさんの猫を集められるかどうか…
「大丈夫。」
私の心を見透かしたかのように、絹代さんは続けた。
「大丈夫。あなたならできる。ここの猫たちもきっと協力してくれる。」